西表島ゲストハウス島時間-沖縄県竹富町西表島

世界自然遺産World Natural Heritage Site

政府 奄美・沖縄、世界遺産に推薦

「潜伏キリシタン」も再挑戦(2017年1月20日 八重山毎日新聞)

政府は19日、世界遺産条約関係省庁連絡会議を開き、「奄美大島、徳之島、沖縄県本島北部および西表島」(鹿児島、沖縄県)を自然遺産に、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本県)を分解さんに推薦することを決定した。20日の閣議了解を経て、2月1日までに正式な推薦書を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出し、2018年夏に登録の可否が決まる。自然遺産の対象エリアは、4島の陸域計3万7,946ヘクタール。亜熱帯照葉樹林が広がり、ヤンバルクイナやイリオモテヤマネコ、アマミノクロウサギなど地域特有の希少な動植物が生息している。生物多様性を保全する上で重要な地域として推薦を決めた。現在、国内の自然遺産は知床(北海道)など4件、文化遺産は姫路城(兵庫県)など16件が登録されている。

竹富町もヤシガニ保護へ

来年度中に条例制定 乱獲防止へ本腰(2016年9月13日 八重山毎日新聞)

ヤシガニの乱獲防止などを目的にしたヤシガニ保護条例の制定に向けた取り組みを進めている竹富町は、8月末から町内の有人7島で生息実態調査に着手している。同様の条例は、石垣市や宮古島市、多良間村で既に施行されている。石垣市は、2014年6月に施行し、解禁期間(9月1日~11月30日)以外の捕獲を禁止、15年には、平久保半島西側の海岸沿いに通年で捕獲を禁止する保護区も設けている。町が民間業者に委託している調査は、ことしの6月議会で承認され、事業費は一括交付金を活用して約2,000万円。西表島、竹富島、小浜島、黒島、波照間島、鳩間島で調査を行う。町は、石垣市や宮古島市、多良間村の条例を基に各島々の状況をなどを勘案して解禁期間や保護区の設定などを検討していく考え。市町間での持ち込みも懸念されているが、既に「島外から獲りにきている人がいる」などの報告も上がっている。ヤシガニは、環境省が「絶滅の危険が増大している種」を意味する絶滅危惧Ⅱ類に分類している。町農林水産課の田代課長は「希少種の減少を抑えることと保護はもちろんだが、島々が近いため、乱獲防止に向けても石垣市と足並みをそろえていきたい」と話していた。

西表石垣国立公園を拡張

平久保サガリバナ群落編入 西表島ほぼ全域が区域に(2016年4月8日 八重山毎日新聞)

平久保半島のサガリバナ群落地の編入と西表島のほぼ全域への拡張を柱とする環境省の西表石垣国立公園の変更は15日、官報で告示され、正式決定する。公園区域は、陸域で現行2万1,958ヘクタールの約1.9倍に当たる4万653ヘクタール、海域では同6万9,718ヘクタールの約1.2倍の8万1,498ヘクタールにそれぞれ広げる。同省は15日西表島で、5月21日に石垣島で記念行事を行う予定だ。今回の拡張では、約10年前から存在が知られるようになった久宇良と平久保のサガリバナ大群落地を編入する。大群落は石垣島と西表島にしか分布しておらず、全国的にも貴重。同省は「自然環境を守るとともに、今後は魅力的な観光資源として保護と適切な利用の取り組みがなされることを期待する」としている。西表島での拡張は、イリオモテヤマネコに代表される西表島特有の生態系や自然景観を保全強化するとともに、来島者の増加で一部地域の過剰利用に伴う自然環境の改変に対応し、世界自然遺産登録に向けた保護担保措置とするのが狙い。古見岳や崎山半島を含む他の全域が公園区域となる。石垣島、西表島の陸域後援面積はそれぞれ現行7,025ヘクタールから7,121ヘクタール、同1万4,933ヘクタールから3万3,532ヘクタールに広がる。海域の拡張は主に西表島周辺。現行6万9,718ヘクタールから8万1,497ヘクタールになる。多種多様で良好なサンゴ群集が広がる海域としてヨナラ水道や鳩間バラス・宇那利崎まで拡張し、外離島を追加する。マングローブ林や海浜、干潟など多様な自然環境を持つユツン川や大見謝川も新たに編入する。多様な底生生物を育む干潟はイリオモテヤマネコの生息環境としても重要という。

西表など「連続性のある資産」

奄美・琉球世界自然遺産 9月に推薦書提出予定 環境省 登録は早くて18年夏ごろ(2016年2月17日 八重山毎日新聞)

奄美大島、徳之島、やんばる、西表島を「奄美・琉球世界自然遺産」としての登録を目指している環境省は今年9月、科学的な観点から4地域の普遍的価値を説明する推薦書の暫定版をユネスコに提出する予定だ。国内の世界自然遺産としては初めて「連続性のある資産」として推薦する予定。来年1月には正式な推薦書を出し、順調にいけば最速で2018年夏ごろの登録になる見通しという。同省は推薦書のほか、4地域全体の保全・管理方針を明らかにする包括的管理計画、これを具現化する地域別行動計画の作成作業を進めている。このうち、包括的計画については素案がまとまり、石垣市内で16日に開催した世界自然遺産候補地科学委員会の15年度第1階琉球ワーキンググループ(座長・土屋誠琉球大学名誉教授、委員10人)で提示した。素案の対象範囲は、顕著な普遍的価値を有する推薦地、推薦地に隣接する緩衝地帯、これらの周辺地域に分類。周辺地域を設定したことについて西村学那覇自然環境事務所長は「推薦地、緩衝地帯の周辺に人が住んでおり、地域ぐるみで自然資産を守ろうために何が出来るかを位置づけたい」と説明した。素案には、保全と地域の持続的発展の両立を図るため、適正利用とエコツーリズムという項目が盛り込まれており、持続可能な観光の戦略的推進、適切な利用コントロールの実施、エコツアーガイドによる普及啓発を図るとしている。委員からは「地元の人がガイドになれるよう、地域中心の振興について明確に記述してもらいたい」との要望があった。地域別行動計画はまだイメージの段階で、今後、地域の自治体、関係機関、住民らと連携し、管理・保全と適正利用の具体的な取り組みを盛り込んでいく。

竹富町 自然環境保護条例を改正

世界自然遺産 18年登録を目指す 希少動植物の保全強化へ(2016年2月10日 八重山毎日新聞)

西表島を含む「奄美・琉球」の世界自然遺産登録に向けた竹富町自然環境保護条例の改正についての住民説明会が9日午後、竹富島まちなみ館で始まった。11日までに6ヶ所予定されている。改正条例では希少動植物や外来種などのリストを挙げ、規制内容を強化していく。参加者からは、「規制することで地域住民が不便になることがないようにしてほしい」との要望があった。条例の改正案は9月定例町議会に上程する予定。同日は小浜島でも説明会が開かれた。「奄美・琉球」の世界自然遺産登録は、西表島と沖縄本島、奄美大島、徳之島の4島が範囲。環境省那覇自然環境事務所では最短で2018年の登録を目指している。同町では16年3月に自然環境保護条例を制定したが、保護区など具体的な指定がされず、実質的な運用がないまま20年が経過。2013年に西表島が世界自然遺産の候補地に選定されたことで、町内各島の野生動植物の保全を重要視する機運が高まり、条例改正が進められている。条例では特定希少野生動植物の捕獲や採取、殺傷、町内各島からの搬出や販売、譲渡などのほか、生息地などでの建築物の新築や土地の造成、土石の採取、水面の埋め立て、木材の伐採などを行う場合は町長の許可が必要となる。違反した場合は罰則の対象となる。罰則規定は検察庁などの関係機関と調整し、決定する。説明会では、住民から「御嶽内の樹木など希少な動植物以外も保護できないのか」などの意見があった。今後は説明会や「特定希少野生動植物種」、「指定外来生物種」の選定、パブリックコメントなどを行い、町議会に上程する。

国立公園、石垣北部を追加

西表は面積を全域に拡大 環境省、変更案まとめる(2015年8月26日 八重山毎日新聞)

環境省は25日までに、西表石垣国立公園拡大する変更案をまとめ、同j地うからパブリックコメント(意見募集)を開始した。西表島を全域に拡大し、サガリバナ群落がある石垣島北部を追加した。西表島全域の国立公園化は、イリオモテヤマネコの生息環境の保全強化とともに、同省が目指す奄美・琉球世界自然いさの登録を見据えた手続きとなっており、遺産化に向けて一歩前進する。拡大面積は陸域で1万8,728ヘクタール、海域で1万1,782ヘクタール。変更されると、陸域で4万689ヘクタール、海域8万1,479ヘクタールとなる。陸域の拡張は、西表島が1972年5月15日の指定以降、石垣島が2007年8月1日の編入以降、それぞれ初めて。西表島では1万8,605ヘクタールを拡張。世界自然遺産登録では奄美大島、徳之島、沖縄本島ヤンバル、西表島の4地域を予定しており、西表島全島公園化は、遺産登録を見据えた保護担保措置とある。石垣島では、久宇良の嘉良川流域28ヘクタールを、現在の景観を極力保護することが必要な第1種特別地域に、平久保川流域95ヘクタールを、農林漁業活動には規制のかからない第3種特別地域に、それぞれ追加する内容となっている。近年自生が確認された2箇所のサガリバナ群落地の保護と適正な利用を図るのが目的。同省の2010年調査では久宇良で4万4000本のサガリバナが確認された。その後も、群落見つかっており、10~20万本単位が自生しているとみられるという。同省那覇自然環境事務所石垣自然保護官事務所の若松徹上席自然保護官は「西表島と石垣島は素晴らしい自然がある場所なので、保護と適正利用を進めていくための計画の変更となっている。引き続き地域と協働しながら利活用を進めたい」と話している。

西表島を含む4島を候補地 外来種対策等取り組み強化も~奄美・琉球世界自然遺産

奄美・琉球世界自然遺産(2013年12月27日 八重山毎日新聞)

【那覇】環境省と林野庁、鹿児島、沖縄両県共同の「奄美・琉球世界自然遺産候補地科学委員会」(委員長・土屋誠琉球大学教授、委員14人)の第3回会合が26日、那覇市内のホテルで開かれ、「西表島」「沖縄島(北部)」「徳之島」「奄美大島」の4島を候補地として絞り込んだ。年明けにも国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産センターに必要な文書を提出、回答を確認して国の世界遺産暫定一覧表に記載される。「奄美・琉球」の世界自然遺産登録に向けて政府は今年1月、推薦の前提となる暫定リストへの追加を決め、ユネスコに関係書類を提出したが「具体的な地域と位置にかかわる詳細な情報」が不十分としてリスト記載を保留してきた。このため環境省などが今年5月に海洋、生態系などに関する学識経験者14人で構成する同委員会を設置し、「島単位」で遺産の対象区域を絞り込む方針を示し、候補地の絞り込み作業を行ってきた。同委員会ではこれまで▽固有種、遺存固有種、新固有種(亜種を含む)の数▽国際自然保護連合(IUCN)や環境省のレッドリスト掲載種数▽森林の面積▽植生自然度▽森林の連続性|など世界自然遺産登録の条件を満たすための指標を確認。今後の取り組みとして、保全管理体制の整備や希少種保護・外来種対策などの保全の取り組み強化|などを挙げ、西表島を含む4島を候補地とすることが「適当」として、年明けにも世界遺産センターに文書を提出する。町自然環境課によると、2015年1月に世界自然遺産登録に向けた推薦書を政府が同センターに提出し、これを受けてIUCNが同年8月に現地調査を実施、16年6月の世界自然遺産委員会で正式登録を目標にしているという。世界自然遺産登録に向けて川満栄長町長は「西表島を核として竹富町全体が世界自然遺産登録にマッチした地域と言われるよう、オンリーワンの魅力あるまちづくりを目指したい」と述べた。

世界自然遺産暫定リストに西表島「奄美・琉球」を追加記載

奄美大島、徳之島、国頭村と連携~数年内にユネスコ審査へ(2013年2月1日 八重山毎日新聞)

世界自然遺産条約関係省庁連絡会議が1月31日午後、外務省(東京都)で開かれ、西表島を含む「奄美・琉球」を世界遺産への推薦や登録の前提となる暫定リストに載せることを正式に決めた。西表島と奄美大島、徳之島、本島北部が候補地の核となるとされており、川満栄長竹富町長は「世界自然遺産と目標に掲げて取り組んできた町にとって大変うれしいニュースだ。八重山全体の起爆剤にもなる」と喜んだ。暫定リストは世界遺産登録に先だって各国が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出するリスト。本登録に向けて数年内に、政府が改めてユネスコに推薦書を提出し、審査が始まる。推薦書提出までに国内の法的な保護担保措置を講じる必要があり、那覇自然環境事務所では来年度中にも、西表島全域をはじめ、奄美大島や徳之島、沖縄本島北部で国立公園の拡充を図りたい考え。暫定リスト入りの知らせを受けた川満町長は「生物多様性を保持している西表島の原生林を継続して守り続けて来た先人、先輩方の汗の結晶だ。これまでの積み上げが世界自然遺産登録の方向に向けて認められたと思う」と話した。また、「多くの観光入域者がいる中、ルールを守りながら利用していくことが大事だ。暫定リストに掲載されることで自然保護の意識が高まってくる。奄美市、徳之島町、国頭村、沖縄県、鹿児島県で自治体間の連携を強化しながら、世界自然遺産に登録されるように取り組みたい」と述べ、利用に対する規制の導入も視野に検討していく。世界自然遺産の本登録には政府があらためてユネスコに推薦書を提出する必要がある。小笠原自然情報センターによると小笠原諸島の場合は2007年1月に暫定リスト入りし、3年後の10年1月に推薦書・管理計画を送付。現地調査を経て暫定リスト掲載から4年後の11年6月に登録が決まった。現在、国内暫定リストに載っているのは文化遺産13件。同日の同会議では、「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)の正式版推薦書をユネスコに提出することも決めた。